走行距離 31,750km
某自動車雑誌の編集をしていらっしゃるOさんから突然お電話を頂き、「知り合いの某一般誌編集者兼ライターの方を是非助けてあげてください、今回は一般誌でポルシェに乗っている30代の方を特集するので」とのこと。「どちらかというと走り屋系やマニアックな方じゃない方の方が良いので、是非お願いします」と言われてしまった。まあ確かにおっしゃる通り。他にお声掛けをされたらしいのだが、40代の方が多かったそうだ。
実は私の今の勤務先は、社員のマスコミへの露出に極めてうるさく、広報部のチェックなしに会社名が出されると最悪クビ、という恐ろしいところ。なので、本当は極力露出は避けたかったのだが、OさんにはGPCの時から大変お世話になっているので、彼からの依頼ではお断りできない。
日曜10時にお台場に集合。昔、今はなき
「くるまにあ」の撮影もまさに船の科学館前で行われた。私が現地に到着したときにはシルバーの996の4Sが、その後997の4Sそれも右ハンドルというレアな車が現れた。
あえて大きめの写真を載せるが、やはりプロのカメラマンが撮影に使うロケーションは車のボディへの映り込みが綺麗な場所。これはカメラマン氏がどんなアングルで撮影しているか興味があったので、彼の真後ろから撮った写真。もっと被写体のみを絞り込んで美しく撮影してくださっているのだろうが、ボディに綺麗にガラス張りの建物が写りこんでいる。幸いなことに好天にも恵まれた。
996の03年式4Sオーナー、F氏は羨ましい事に自宅に素敵なガレージをお持ちだとのこと。そしてクルマの取材も多いがガレージの取材が多い、とおっしゃっていた。クルマ好きには理想の環境。陽射しを浴びる自分の車を眺めながらコーヒーが飲めるようなガレージをお持ちなのだろうか。個人的にはバンドの練習も出来るようなガレージ兼スタジオが欲しいが。
そしてもう一方、997C4SのオーナーM氏は、ポルシェクラブ某支部の副会長をされているとのこと。本件をご依頼いただいたSさんともども、皆さんとても腰が低い方で恐縮する。
編集兼ライターのSさんは、明日「サーキットの狼」で有名な池沢さとしさんのところに仕事に行かれる、という話をしていらっしゃった。しかし面白かったのは、「昔は風吹裕矢がロータスヨーロッパに乗って、みたいな絵を描くことができたんですが、最近は著作権(意匠権?)がらみで実際の車を描けないんですよ…」とおっしゃっていたこと。そういえばゲームの中でも実車を使う場合は自動車メーカーにお金払ったりしていると聞く。世知辛い世の中になっているらしい。
また、ポルシェオーナーでどうやら皆さんMixiつながりがあったりするらしく、仲間で走りに行かれたりするとのこと。私のような「引きこもり」ポルシェ乗りも、少し外交的になったほうがいいのかもしれない。
しかし996、997に囲まれて思ったのだが、993は本当に小さくて良い。運転席から手を伸ばして助手席のドアを開ける、ということが出来る最後のポルシェだと思う。(一般誌の取材なので、「彼女と自然にタッチするにはちょうどいいですねー」的なことを言われてしまってちょっと照れる。)
そして、今年で11年目を迎えるわが愛車は、今のポルシェオーナーの前に出しても全然恥ずかしくないし、胸を張って「最後の空冷ポルシェに乗っています」と言える。96年に販売されていたクルマは、例えばZ3とか、CLK320とか、スカイラインR33とか。現行モデルの隣でも「車暦10年を超えても、このコンディションのクルマに乗っています」と卑屈になるどころか誇らしげに語れる、そんな車を選んでよかったな、と今日は思った。
(でも撮影後フロントのライセンスプレートに雑誌名が入ったカバーをつけたまま走り去ってしまい(携帯に電話いただいて無事回収されました)、Aston Martin Vantage見に行ってしまいましたが…。詳しくはブログ版をご覧ください。)