紺ガエル日記 2001年11月3日 くるまにあの取材

走行距離 13,550km

HPを開設してまだ1年にならないが、最近お蔭様でリンクさせていただく機会も増え、またメールを頂戴する機会も増えてきた。仕事が忙しいときには更新も、返信も遅れてしまっていて恐縮なのだが、ある日メールボックスを開けると、W氏からのメッセージが届いていた。

内容を要約すると、以下の通りである。
くるまにあの次の号で(11月末発売)、壊れない空冷ポルシェを特集します。たまたまウェブを見ていたら、このHPを発見しました。油っこいポルシェのHPは結構発見できたのですが、普通の人が普通にポルシェに乗っているHPというのはなかなかほかにはありません。さらに整備記録等、ランニングコストが記載されていて参考になりました。
つきましては、取材をお願いできませんでしょうか。

この前はラジオの録音、今度は雑誌の取材と、なんだか不思議な感じである。私のこのHPは、Yahooでジャンルでは登録してもらえず、Googleで検索できるだけだし、Gooは一度登録できたもののいつのまにか消去されているし、そんなにメジャーだとは思えないのだが。しかしくるまにあは私がポルシェを購入するときにも99年5月号のポルシェ特集を大変参考にさせていただいたし、一時期車を探していたときはずっと熟読していたので、恩返しというのは大袈裟だが、取材をお受けすることにした。

しかし、前回は録音だったために車をきれいにしなくて済んだが、今回はそんなわけにもいかなかった。ちょうどシートの手入れをしなくては、と思っていたところだったので、内装をしっかりとクリーニングすることにした。

まず、クイックブライト(よく深夜のTV通販で売っている魔法の洗剤、ディスカウント店などでは800円ぐらいで購入可)を雑巾につけて固く絞り、それでポルシェの革シートを丁寧に拭いた。5年落ちのため座面の横の部分にしわが刻まれてしまっている。革は見たところきれいなのだが、少してかってしまっている部分もあった。クイックブライトで拭くと、革のてかりが取れてしっとりとした半艶になった。あと、私は整髪料でジェルを使っているのだが、ヘッドレストのところにジェルが固まってしまっていた。シートの色が黒だから目立たなかったが、結構汚い。真っ白だったタオルが、薄茶色に汚れ、その代わりに革シートがきれいになった。奥さんは小さいので後部座席に簡単に潜り込めるが、私が自分でやったら結構大変である。
拭き掃除を終え、家にあった革製品専門のCoachで購入した革製品の手入れ専用のローションを塗ることにした。要らない靴下に薄くローションを塗り、馴染ませてからシート全体に塗っていった。てかてかに光るのはいやだったが、きれいに上品な艶が出た。
シートだけではなく、ダッシュボードやシフトブーツの周りもきれいに拭いた。ドアの革張りの部分もがんばって拭いた。
あと、フロアカーペットを剥がして掃除機をかけ、カーペットの下に潜り込んだ小石も掃除機で吸い取った。
これで、ずいぶんと内装はきれいになり、新車に近い感じになった。一応5年落ちとはいえ走行は13000kmである。
外装はそんなに汚れていなかったので、近所の洗車場に行って水で洗い、フクピカでふき取ったらきれいになった。

そして、取材当日の朝がきた。待ち合わせはお台場の船の科学館正面で午前10時だった。
そういえば、これまで見たくるまにあの写真はお台場周辺で撮ったとおぼしきものが結構多かった。都内で交通の便がよく緑があって車の撮影ができるところといえば限られるので、必然的にそうなるのだろう。
本当は奥さんも連れて行く予定だったのだが、目覚めたら8時半で、奥さんは準備が間に合わなかったので連れて行けなかった。折角なので本HPのネタにするためにデジカメを持っていったのだが、ありがちなパターンでメモリーカードを入れていくのを忘れてしまった。悪しからず。

メールを頂いた編集のW氏、ライターのK氏、カメラマンK氏の3人での取材だった。大まかな流れは、止まった車の撮影、通過撮影、並走しながらの撮影、そしてインタビューだった。
皆さんとても気さくな方たちだったので、初対面だったが打ち解けながらの取材だった。
編集のW氏、ライターのK氏とも私のHPのプリントアウトを持ってきていらっしゃって、なんだか私は恐縮してしまった。W氏は以前はローライダー系の雑誌の編集をなさっていて、ご自分はノーマルのアメ車好き、K氏は以前カーセンサーでライターをやっていらっしゃったそうで、最近はコンピュータ雑誌の仕事も多いという。カメラマン氏は車専門というわけではないものの、仕事の大部分は車関係だということである。

オーナーと車の絡みの撮影は結構恥ずかしかった。というのも、船の科学館前で人が結構通りがかる前で、「腕を組んで車にもたれて少し下を向いてください」とか、いろいろなポーズを取るようにカメラマンのK氏に指示を受けながら撮影されるのである。とても恥ずかしいことこの上ない。ものすごくおすましした写真が雑誌に載ってもかなりこっぱずかしいではないか。
土曜の朝のお台場は交通量があまり多くなかったので、撮影は順調に行われた。カメラを構えた前を時速50kmで通過したり、フジテレビのビルを背景としながら撮影用の車と並走したり、交通量が多いと難しいであろうことも問題なく進んだ。唯一大変だったのが、潮風公園の中の駐車場で撮影していたときに係員のおじさんに無許可の撮影を見つかりそうになり、慌てて何もなかった振りをしたぐらいだった。インパネ周りの撮影、室内の撮影もあったので、奥さんまで駆り出して車内清掃を行ったのも報われたというものである。

2時間程度で全ての撮影は終了し、船の科学館の中で中華レストランで食事をしながらインタビューと相成った。カメラマンのK氏はよくこの辺で撮影されているのであろう、何がおいしいかご存知だったので、私もK氏が注文されたものと同じものをお願いした。
質問されたのは、購入までのいきさつ、ランニングコストについて、HPについて、買ってよかったこと悪かったことだった。
購入までのいきさつや、ランニングコストについてはこのHPにアップロードさせて頂いている内容をもう少し詳しく話した。私のHPのプリントアウトを見ながらのインタビューだったので効率よく話すことができたが、自分の文章を人にじっくり見られるというのはこれも少し恥ずかしい。HPでの文章のスタイルがかつてと今では若干違うので、昔のすこしおちゃらけ風で書いているものを見せられると、自分が書いたものなのに恥ずかしくなる。

ランニングコストは、最近オイルとタイヤを交換したばかりなので詳しくお話することができた。1年で8000km走行すると想定して、オイルを年2回4000kmで交換し、タイヤを年1回8000kmで交換すると、およそ25万円かかる。内訳は、オイルフィルター(オイル交換2回に一度交換)を交換なしで1回35000円弱、交換すると40000円強、タイヤが18万円弱である。また、燃費もリッター5km行かない時もあるので、ガソリン代は年間で20万円弱かかる計算になる。任意保険が15万から25万円程度なので、合計すると1年で60万円から70万円弱である。
そして2年に一度車検がやってきて、メジャーなトラブルなしでも20万程度かかるので、車検取れたてから2年間で140万円から160万円金を食うことになる。
これに駐車場代をあわせると、結構な出費である。というようなことを、つらつらとお話した。

HPについては、いろいろと細かいことを書いているため、皆さん私が非常に几帳面なまめな人間だと思われていたようである。しかし、実際は全くそんなことはない。よく家の中で散らかしまくっているのでいつも奥さんに怒られているし、会社の机があまりに汚いので通りがかりの人がびっくりするぐらいである。そんな私がなぜ事細かに色々なことをアップロードしているかについて自分で考えてみたのだが、理由はいくつかある。
まず初めに、最後の空冷Pを飼っているものとして、なんとなく責任感のようなものを感じているということがあげられる。というのも、最初からPに入れ込んで空冷ポルシェじゃなければ車じゃない、ぐらいの勢いで購入したわけではなく、運命的な出会いがあって理性的にこれは貴重なものだと感じて買った部分があったわけで、記録を取っておこうという気にさせられる部分がある。
二つ目としては、購入を検討しているときにインターネットを120%活用しながら車を探していたのだが、実際に購入時に参考になり、また第三者が読んで楽しいHPはあまり多くなく、どちらかというと作者の自己満足か、仲間同士の連絡、情報交換が主になっているものが多いと感じたことがあげられる。このHPを作ったきっかけというのは、いわゆる「(見せ)びらかし」系にするつもりは端からなく、友達に「ポルシェ買ったからHP作ったので見てね!」という風に自慢したかったわけでもない。ただ、淡々とポルシェと過ごした時間を記録しようというのが趣旨だったため、特に宣伝もせず、親しい友人にアドレスを教える程度のものだったのである。そしてInformativeであることを念頭に置きながら、更新させて頂いている。だから有意な情報をできるだけ多く載せておきたいと思っている。

買ってよかったことについては、やはり34年間続いたポルシェの空冷エンジンの911を、新車に限りなく近いコンディションで購入できた満足感、カタログスペックだけでは語り尽くせない感性に訴えかけてくるもの、たとえばドアの開閉音の剛性感の高さなどや、さらに非常に安定した乗り心地でロールも大きくなく、オンザレール感覚でコーナーを攻められるところなどをお話した。購入して後悔したことは特にない。強いて言うなら真夏に出かける気が失せたぐらいなものであろうか。

長くなったが、以上のようなことを若造の私が偉そうにお話させていただいた。時は午後1時を回り、外は雨でわずかに濡れ始めていた。駐車場に戻り、傷つけられないように自分たちの車をわざわざ両脇に一台ずつ駐車してくださった心遣いに感謝しつつ、お礼を述べてお台場を後にした。掲載号が発売されるのが今月末、どんな風に掲載されるのか楽しみである。

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