紺ガエル日記 2001年8月19日 ポルシェは果たして実用的か?

走行距離 11,755km

友人から釣りに誘われた。江ノ島から朝の6時半に釣り船を出し、みんなで釣りをするという計画である。
しかし、一つポイントがあった。それは、朝の6時半に江ノ島につく電車はおそらくないため、自分の車で来て下さい、というものであった。
そこで私はとても不安になった。というのも、今日はお盆のUターンラッシュの日。帰りに渋滞に捕まって、東京に帰ってくるまでに6時間とかかかったらどうしよう。気温の高い中、空冷できずに油温が上昇して、車が壊れてしまう…。
しかし釣りの企画は楽しそうだった。こういうとき、夏に走れないポルシェは困ってしまう。

旅行で海外に行くとしよう。普通の車であればトランクにスーツケースを載せて空港まで行くことは可能である。しかし、ポルシェでは無理ですな。

奥さんと出かけて、ばったり昔の友人とであった。どこかで食事をしよう、ということになり、車で移動しようとした。うちの奥さんは小さいので何とか後部座席に座らせることが出来る。ただし、どれだけ長く我慢できるのかは、私にはわからない。もう一人こびと級の大きさの人が乗れるかもしれないが…。

奥さんと二人でゴルフに出かけようとした。バッグは後ろに何とか二人分積めるが、クラブハウスに着き、キャディさんが荷物を降ろしてくれるとき、ちょっとキャディさんは困ってしまう。われわれが降りて荷物を降ろさないといけないからである。

三越本店の立体駐車場に車を止めた。上りは問題なかったが、下りは相当慎重にスロープを降りないと、フロントスポイラーを地面に擦ってしまう。結構ブルーである。

雨の日の運転は、どんなに急いでいても時速100km以上は出せない。ハイドロプレーニングも怖いし、リヤタイヤがブレイクしてしまうのも恐ろしい。

燃費は、都内をクーラーをつけて走ったら、リッター5km行かないときもある。満タンにしても走行可能距離が300kmを切っていたりすると結構悲しい。とっても地球に悪いことをしている気がする。

ポルシェは小回りがきかない。昔乗っていたZ3は、とても小さく、なおかつハンドルが切れるので、大抵のところでUターンが出来た。ポルシェのハンドルは切れないので、Uターンしようと思うと結構大変である。

ポルシェのペダルはとってもヒールアンドトゥがしにくい。いわゆるオルガン式のペダルだからである。坂道発進をするときにヒールアンドトゥが出来ないと結構つらい。いかにノーマルがいいとはいえ、ペダルだけは交換しようと思う今日この頃である。そうでないとシフトダウンのときに車に悪い気もする。ノーマルで上手にヒールアンドトゥが出来る人がいれば、その人の足首はとんでもなく柔らかいのではないかと思う。しかしこれは実用性とは少し違う気もするが。

以前にも書いたが、気温が上がらないときに長距離ドライブに行くと、油量計がレッドゾーンを示したまま上がってこないのでかなり不安になる。気温が上がれば正確に表示されるのだが、冬はまず無理である。心臓にとても悪い。さらに、車に常にエンジンオイルを積んで走っておかないと精神衛生上非常によろしくない。ほかの車ではこんなことを気にすることはほとんどないであろう。

いろんな問題点はあるが、私はポルシェが実用的な車かと聞かれたら、イエスとこたえる。ある一定の約束事さえ理解できれば、それ以上気を使う必要がないからである。少なくとも二人で乗る分には、買い物に行くのでも旅行に行くのでも不自由を感じたことはない。
ただし、もしあなたが家族が5人いて、冬には毎週末スキーに出かけ、夏は毎週自転車を積んで子供と出かけたい、奥さんはオートマ専用免許しか持っていなくて、毎日幼稚園まで子供の送り迎えをしなければならない、奥さんはエココンシャスで、ガソリンをバカ食いする車なんて決して許せず、3000kmごとのオイル交換が必要な車がこの世に存在することを知らないというのであれば、私はポルシェは薦めない。
一つだけはっきりといえることは、フェラーリF355一台だけでは多分まったく実用性はないが、ポルシェ一台であればそれなりに生きていけるということである。

だが、もしわれわれ夫婦に子供が出来た日のことを考えると、どうしても車はもう一台必要になってくると思われる。奥さんには決して私の車を運転して欲しくないが、私が仕事に行っている間に奥さんが車無しで子供の面倒を見ながら家事が出来るかというと、かなり疑問だからである。
そのときには、オートマであまり大きくなく、小回りの聞く非常に実用的な車が欲しい。さらに言うならば、奥さんが万が一事故を起こしたときでも、身を守ってくれるような頑丈な車がいい。けれど、ペーパードライバー歴が十年弱といううちの奥さんが、車に傷をつけずにいられるかというとそれは無理な相談である。だから、あんまりいい車は買えないかも知れない。
しかし、日本では乗っている車で周りの態度は大きく違う。あまり変な車だと、うちの奥さんが邪険に扱われるかもしれないと思うと、それなりの品格を備えた車の方がいいのではないかと思ってしまう。ただし、奥さんがこすりまくってしまえば、どんな車でも品格は台無しである。奥さん、頼むから運転上手くなってください。

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