[PR] 一人暮らし


免許取得を思い立つまで



Triumph Speed Tripleから始まるシンクロニシティ

出張のNY・ロンドンから帰国。陽射しのある東京のありがたみを実感しながら、梅を眺めながら近所を散歩していて。
笹塚の、福田モーター商会の前を、通りかかる。
普段見たことのない、大型バイクがたくさんディスプレーしてあって。
ショーウインドーから見える、黄緑の、変てこなアピアランスの二灯ヘッドライトの無骨なバイクが、妙にかっこいい。
勇気を出して、店の中に入っていって、じっくり眺めてみる。

「ふーん、トライアンフっていうのね。車作ってたメーカーだけど、バイクも作っているのか。」
その程度しか認識はなく。

高校生の頃、仲間がNSR250とTZR250に乗っていて。レーサーレプリカ全盛時代。
無免許で乗っていたことがあるのだが。もう、20年近く前で、とっくに時効成立しているが。
バイクにかかわるのは、それ以来。

あの頃は、スピードの恐ろしさも、全く分かっていなかったが。
兄弟同然の親友を、19の頃に原付の事故で突然失い。
昔と違って、失うものも増え。
ポルシェを運転することで、理性で力をコントロールすることを覚え。
その頃バイクに乗っていた友人達も、もうバイクからは遠ざかってしまっている。

それでも、何だか、強烈に惹きつけられるものがあって。

バイクを見た後、笹塚の商店街をふらふら歩いていたら。
ちょっと奥まったところに、黒板が出ていて、人が一人、二人、列を作っている。
カレー屋さん。ちょうど腹も減ったので、ここで食べてみようか、と思って列に加わったのだが。
よく見ると、店の前に、さっき見ていたトライアンフのバイクが。黄緑ではなく、黒だったが。
待つ間に、じっくりバイクを観察。黒も、なかなかかっこいい。

カレー、美味しかった。たまたま見つけた店が美味しいと、とても嬉しい。

で、後に、バイクのオーナーであるM's Curryのご主人が、会社の同僚のバイク仲間であることが判明。
そのバイクを納車したのは、福田モーター商会のYさんという女性。
会社の別の車好きの先輩で、私にバイクに乗ることを勧めてくれた人は、YさんからMVアグスタ F-4を買った、ということも判明。
私が店にふらっと入った時に、応対してくれたのも、Yさん。すべてのシンクロニシティは、後から分かったのだが。

色んな偶然が重なり。
これは何かが私を呼んでいるな、と強く感じ。

そして、大型二輪の免許取得に向けて、一歩を踏み出すことにした。



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