日々雑感 2005年3月

神泉 鮨 「秋月」


競合他社の別部署の若者と会食。あまり同業者が来なさそうなところ、ということで神泉を選ぶ。
先日、西麻布の某鮨屋で食事したが、同じカウンターで前の会社の同じチームにいた後輩が接待していて、なんだかこちらが申し訳なかったからだ。
予約の際、こちらが会社名まで名乗っているのだから、店側も考えようがあるだろうに。

店の名は「しゅうげつ」ではなく「あきづき」と読む。中世以来の九州の街道で秋月街道というところがあり、そこから名をとったそうだ。

鮨は小ぶりの、私の好きな「手弱女」系(vs「益荒男」系)のもの。久兵衛の流れを汲むそうだ。(ただし私は久兵衛は余り好きではない)
春子、小肌が旨かった。煮切りの味が私の好み。ただし会話が弾んだため、いつもよりも味覚に集中できず。再訪する理由が出来た。

握ってもらったのは親方ではない方。少し仕事が粗い。巻物を巻くときに海苔が千切れてしまったり、握った後タネがシャリからはがれてしまったりということが何度かあった。
カウンターの前に立っているのだから、自分が見られているという緊張感がないと。
いつもカウンターから職人さんの仕事を見ながら食事しているのだが、「自分が見られている」ということに気がつかない職人さんは、客への目配りができていないわけで、サービスの質を云々する以前の問題なのではないかと思うやはり客ではなく親方を見て握る「サラリーマン職人」が増えているということなのだろうか。あるいは綺麗な仕事ができなかったことに対する「恥の意識」がないのであれば大変なことだが。
期待が大きかったので若干辛口なことを行ってしまったが、それでも味は平均点以上だった。値段はクオリティを考えると良心的か。次回は親方に握ってもらいたい。

現在マスコミでお騒がせの会社が入居するオフィスビルの別の会社に勤める若者は、まだ若いのに極めて優秀。こんな新卒をひきつける器量のある会社は世の中限られるだろう。
微力ながらも自分の力で会社を変えていくべきか、流れに逆らわず行くべきのか、他の流れに乗るべきなのか。
自分がどこに向かっているのか自分で見えていない状況がしばらく続いている。


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