ゴルフに行くためにアルファ号でレインボーブリッジから湾岸線をアクアラインに向かっていた。日曜日の7時半、晴天で湾岸線は交通量も少なく、気持ちよくツインスパークの音を聞きながら湾岸を走っていた。少し予定の時間より遅れていたこと、最近ゴルフの調子がいいので早く行って練習したかったこともあって、結構なスピードで飛ばしていた。
途中空港中央でRX-8の通常のパトカーがカルディナを捕まえていたのを見たので若干警戒したのだが、追越を掛ける車は全車チェック、後方の車もミラーで視認しながら5速5千回転を保ちながら走っていた。
空港中央を過ぎ、浮島ジャンクションのアクアラインへの分岐の1km程度手前、一番右の車線から速度を保ちながら中央車線へ車線変更。しかし中央車線の車が思ったよりもスピードが遅く、一瞬躊躇したが再び追越車線へフル加速しながら車線変更、追越を終了して迫り来る分岐へと2車線を跨いで左側に車線変更を行ったところで、覆面でもないパンダのような色をしたクラウンの赤色燈が光って、御用となった。トンネルを出て、分岐の直前だった。フル加速したときは、恐らく国産の車では追い付けないぐらいはスピードが乗っていたはずだった。
後方で発炎筒を焚いた後、交通機動隊員が免許を持参してパトカーの後部座席に来るように指示。素直に従った。頭の中で改正道路交通法でのスピード違反の扱いはどう変わったか一生懸命考えたが思い出せない。70kmオーバーだと90日免停、15万円コースかとおおよその見当をつけた。
「運転手さん飛ばしてたねえ、あの車外車だよね、リミッター付いてないよね」
「運転手さんの運転目立っちゃってたんで大井のパーキングからついていってたんだよね」
「何キロぐらい出てたかわかる?ここ何キロ制限か知ってる?」
こちらは運転するときはタコメーターしか見ていないので正確にはスピードはわからないが、まあ5速で5-6千回転だから文句言えるわけもない。ゴルフのティータイムに間に合わないのでめちゃくちゃ急いでいて、メーターも見ていなかった、ここは100km制限だと思うのだが、と警官に話した。また、前歴を照会してくれればわかるが、最後に切符を切られたのはパーキングメーターでの駐車時間超過(今思い出しても腹立たしいが)で、最後にスピード違反をしたのはもう8年近く前のはずだと話した。
警官はもったいぶってなかなか計測結果を教えてくれない。こっちは何キロオーバーで検挙されたか早く知りたいのでどれくらい速度超過だったか聞いてみた。
久しぶりに乗ったパトカーの車内の、追尾用のメーターの下にあるプリンターに印字された数字は156kmだった。56kmオーバーだったら予想よりも少ないなあ、と思っていたら、思わぬ事実が発覚。湾岸は100km制限だと思い込んでいたのだが、少なくとも浮島ジャンクション手前のあたりは80km制限だったらしい。つまり76kmの速度超過。下手すると三桁オーバーではないか。
しかし話に違和感がありすぎる。大井PAからついてきて、浮島まで捕まえないのも変な話だ。捕まえるのであればそんなに長い距離を泳がせず、空港中央あたりの長い直線で捕まえていたに違いないと思った。空港中央でシルバーのZを追い越した後そのZがしばらく後ろを走ってきていたのは記憶しているが、PCに追尾されていたとは思えない。おそらくトンネルの中の走行車線に潜んでいたに違いない。そんなことを思いながらも、ひたすら「急いでいたのでたまたまいつも出さないようなスピードで走っていた品行方正なおっさん」の振りをして、謝り倒した。
「XXさんみたいなスピードを出すと、ほかの車が触発されてまたスピードを出したりするから危険なんだよ」
「100kmで走れなんて正直いわないけど、やっぱりあそこまでスピード出しちゃうとなあ…」
などといろいろと説教を受けた。ここで免停になってしまうと、今後しばらくゴルフに行けなくなってしまうではないか。奥さんの買い物に付き合うのも大変になるし、実家に正月帰るのにも難儀する。こちらはひたすら謝りまくりである。
説教が延々続いた後、
「どうやらちゃんと反省しているようだね」
「今日は特別に通行帯区分違反で1点6000円で済ましてあげるけど、絶対木更津まで飛ばさないでね」
という意外な言葉で、なんと悪夢の赤切符を免れることができた。必死で笑いそうになるのを堪えて、ゆっくり安全運転します、と誓って見せた。超ラッキーだった。
しかし放免されてよくよく考えてみると、やはり反省し、謝ったから負けてもらえたのではなく、追尾できていなかったのだろう。3車線中一番右から一番左の車線に出たときに捕まったのだから、同一車線上での追尾は間違いなくできなかったはずだ。赤切符だと単なる行政処分ではなく、道路交通法違反という立派な刑事事件なわけで、いくら略式裁判とはいえちゃんと違反の事実を立証する必要があるのだが、大げさに言うと公判維持できるだけの証拠がそろわなかったのだろう。大井から追いかけてきていた、というが恐らく嘘、あるいは追いかけていたが追いつかなかったかのどちらか。
通行帯区分違反、走行1000m超というのも、もしかしたら否認すればできたかもしれない。検挙されたときは同一車線を1000mも走っていない。しかし否認すると時間に遅れてしまうはずなので、素直に青切符にサインをした。
本日の教訓。
トンネル内でサングラスをしていると視認が難しくなり、PCを見過ごす可能性大。
中途半端なスピードだと追尾される可能性が高い。
追越が終わればやはりちゃんと走行車線に戻る。
もし速度超過で捕まった場合は、同一車線をちゃんと等速度で追尾したかは必ず確認。PCが後方から来るのであれば、必ず向こうの方がスピードが出ているはずなので。
PCの車内でタクシーのメーターのような器具にスピードの表示がなかったらおそらく計測ができなかった可能性が高い。
スピードの出しすぎには気をつけましょう。