日々雑感 2003年12月



NYで凍える

仕事で半年振りにやってきたNYは、例を見ないほどの大寒波に襲われている。現在外気温はマイナス5度。雪が降りつけている上に高層ビルが立ち並ぶ街ということもあり風が非常に強いので、体感温度は恐ろしく低い。例年東京よりもかなり寒いので、マフラーと手袋、厚手のコートは用意して出掛けたが、JFKを降り立ってタクシーを待っている間に寒くて死にそうになった。

ホリデーショッピングのシーズンということもありマンハッタンはどこに行っても混んでいる。そもそも出張の予定が決まってホテルを予約しようとしても、定宿にしている居心地のよいPには部屋がなく、Amexから予約をしようにもマンハッタン中のホテルすべてに空きがないといわれる始末。何とかアシスタントがMarriott Marquisをとってくれたのだが、結構な安普請である。会社のディスカウントがきくので安くなっているが、この時期普通に予約したら一泊499ドルだそうである。そんな価値は絶対無い部屋なのに。ただし会社まで歩いてすぐだし、どこに行くにも便利なので、この寒さの中で彷徨わなくてもいいという意味では大変助かっている。

しかし、昔は飛行機ではまったく眠れなかったのが嘘のようだ。12時間ほどのフライトだったと思うが、10時間以上は眠っていた。前の日3時まで飲んで、その後会社に戻って仕事をしたのがよかったのかもしれない。昔はローマ経由ミラノまでのフライトでも一睡もできなかったことを考えると、ずいぶん神経が太くなったものである。そして、風邪をひいているせいもあり、時差ぼけのせいもあり、ひたすら眠れるので自分でも驚いている。逆に考えると、NYに着いてからの3日間、よく仕事中に寝なかったものだ。金曜日は8時に寝てしまい、朝4時に空腹で目が覚めて氷点下の中数ブロック歩いてチキンサンドイッチを食べてワインを飲み、5時半に帰ってきてまた土曜の朝の10時まで寝ていた。土曜日が一番雪がひどかったため、コーヒーショップで買い物をして部屋でテレビを見ているうちに2時過ぎに寝込んでしまい、何度か目を覚ます機会はあったものの夕食も食べずに翌朝6時まで眠っていた。16時間も眠っていたのは過去10年間を考えてもまったく記憶にない。その次の日も、夜10時には寝ているのだから、自分でもどうしてしまったのだろうかと思う。

6時に起きて朝食をとり、ジムで汗を流し、電話帳よりも厚いNYTimesの日曜版を読んでも、まだ9時前である。まるで年寄りの生活である。仕方がないので凍えながら街中をうろうろし、昔通ったChineseの店で昼食をとり、昔住んでいたコンドミニアムの下にあるソニーシアターでラストサムライを見た。一部神道と仏教を混乱しているように思えるところなど(神仏習合を理解して描いているのか?)あったが、悪い映画ではなかった。というより、いささかサムライの精神について美化しすぎな点があるものの、最近見た映画の中では最も感動した。渡辺謙の演技もよかったが、子役の演技もとてもよかったように思う。

暫くのNY滞在の後、西海岸に移動した。西海岸、最高。NYよりも気温が20度以上高く(氷点下5度から15度へ)、空港を降り立った時陽射しがさんさんと降り注いでいて、あまりのありがたさに涙が出そうになった。ちょうど去年の今頃Palm Springの近くに行ったのを思い出した。今回は残念ながらゴルフは出来ない。というか仕事だから当たり前か。暫く仕事をこなし、最終日にはLAXの近くに泊まるということでSanta Monicaに宿を取った。目の前はすぐ、ビーチである。夕方到着したら、まさに目の前で太陽が水平線に沈んでいくところだった。

帰りの飛行機の中は、時差ボケにならないように敢えて睡眠はとらずに頑張った。なぜだか知らないが飛行機の中で映画を見ると涙脆くて困る。間抜けな話だ。明るくなった客室で一人泣き腫らしているとかなり格好が悪い。今回は、イギリスのスノーマンのアニメーションをやっているのを見て思わず涙をこぼしてしまった。ストーリーとしては他愛無く、子供が雪が降ったのを喜び雪だるまを作り、夜ベッドに入った後に目が覚めて窓から雪だるまを見ると、動かないはずの雪だるまが動き出し…といった典型的なお伽噺だった。スノーマンと少年は家の中で一緒に遊んだり、一緒に空を飛んでオーロラの降る満天の星の空をサンタクロースに会いに行ったりする。少年はマフラーをプレゼントに貰い、スノーマンと空を飛んで家に戻って、促されてベッドに戻る。そして次の朝に窓から外を見ると、そこに立っていたはずのスノーマンがすっかり溶けてしまっていて、少年はとても悲しくなるが、サンタに貰ったスカーフは夢ではなくそこにある、というストーリーだった。上映が終わり何だかとても物悲しい気分になり、つい涙がこぼれそうになった。恥ずかしいついでにもう一つ白状すると、ちょうど去年の同じ頃に同様にロスから成田に向かう飛行機に乗っているときに涙腺を緩ませたのが、「フランダースの犬」最終回だった。ネロが火事を引き起こしたと疑われて居場所が無くなり、パトラッシュと一緒に雪の降り積もる中を当ても無く歩く。はるか遠くの街の教会に永い間憧れていたレンブラントの絵があることを思い出してそこまで辿り着くが、憧れの絵を見てすぐにネロとパトラッシュは凍えて寝てしまい天に召される話である。そんな物悲しい話をわざわざ飛行機のエンタテイメントに入れなくてもいいものを。



最近のお気に入り

最近のマイブームは、中島美嘉とJETである。中島美嘉のニューアルバムは、わざわざ発売前にAmazonに予約を入れて購入した。今頃言うな、とおっしゃる方もいるかもしれないが、「Love」というアルバムは、彼女の歌もいい上、プロダクションのセンスが非常に良く、聞いていてとても安心できる。「雪の華」という曲は、歌詞といい、中島美嘉の息遣いが聞こえてくるような透明感の強い歌い方といい、今年聞いた曲の中で最も心を打たれた。
JETは、対照的にオーストラリア出身の田舎臭いロックンロールバンドである。昔から代わり映えのしていないハードロックを、これでもかとばかりに叩き付ける。しかし一つ感心するのが、出身国の大先輩のAC/DCを彷彿とさせるようなたてのりのロックがある一方で、きっちりとしたバラードを聞かせることも出来るという音楽性の幅である。MTVではAre you gonna be my girlという曲のビデオがヘビーローテーションでかかっていた。このプロモはえらくかっこいい。とってもアナクロな格好をした兄ちゃん四人組が、人の彼女を気に入って「俺の女にならないか?」と歌い続ける、というありがちなストーリーなのだが、これが悪くないのだ。

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Yahoo!オークションで中島美嘉のチケットを購入

マイブームが昂じて、中島美嘉のコンサートのチケットをヤフオクで購入してしまった。それもはっきり言ってすっ高値。横浜公演のアリーナの前から十数列目という決して悪い席ではないのだが、3万円+は払い過ぎだと思う。しかし、わざわざ自分で休日の朝に電話の前に陣取って(というか今時そんなことしなくて携帯か。)チケットセンターに電話をかけ続けるなんてことはどうしたって私にはできないので、少々プレミアムを払うのは仕方の無い事かも知れない。
出品されていた方が出品履歴1回だけの方だったので、銀行振込を行うときはやはりドキドキした。しかし今日家に帰ると、書留の不在通知が入っていて、奥さんとワインを飲みながら再配達を待っていると、無事にチケットが届いたのでほっとした。やはり人を疑ってはいけません。
宇多田ヒカルのチケットも見てみたのだが、こちらはまさに暴騰という言葉が相応しい値段がついていた。ペアチケットでS席だと5万円以上という世界である。こっちも非常に行きたいのだが、値段的にはしんどいかもしれない。追加公演が出てくるのを祈りたい。


我が家のハイテク化が進行中

我が家のハイテク化が急速に進行している。まず、自分へのクリスマスプレゼントというかなり無理のある企画で、ラップトップのPCを購入した。富士通のFMV-Biblo MG70Eというなかなかハイスペックなものである。20万円ちょっとでこれ位のものが買えるのだから、世の中デフレとはありがたいものである。
購入の意図は、このような駄文を仕事をサボってアップデートするためではなく、外出先から会社のEmailにアクセスできるようにしたかったこと、出張や外出の間に仕事をこなせるようにしたかったこと、そしてDVDマルチドライブがあるラップトップで、どこでもDVDを見られるようにしたかったことである(たとえば休日のカフェとか、実家に帰る車の中で奥さんがDVDを見るなど)。

そして、さらにその意図を完遂するために、DVDレコーダまで購入してしまった。こちらは自分へではなく、奥さんがクリスマスプレゼントに所望したものである。ラップトップとDVDレコーダを買うことによって、テレビ好きの奥さんが録画したテレビ番組をラップトップパソコンで様々なオケージョンで見ることが可能になった。うーん、技術革新とはありがたいものである。

加えて、家庭内LANを構築したので、寒い寝室でHPのアップデートをしなくてよくなり、ホットカーペットのある居間に座りながら作業ができるようになった。デスクトップPCは北向きの窓に面した机のうえにあるので、一生懸命作業していると冬は特に手が冷たくなってきて、とても不幸せな気分がしていたのだ。その点ラップトップは本体から発熱するので手先が冷えなくてちょうどいいぞ。夏は熱いのだろうが。

ただしXPになって簡単になったとはいえ、無線LANのセットアップは大変だった。夏にデスクトップPCを自作アップグレードしてPentium4の2.4Gに変えたときも大変だったが、今回はそれ以上に大変だったかもしれない。こんな大変なことを一般家庭でもやっているのかどうか、実際信じられない。

いまさら何を言っているのだ、と思われる方もいるかもしれないが、ラップトップパソコンはすぐに電源をスタンバイさせることができ、そしてスタンバイから復帰させるときも時間がかからないので、ストレスがなくて非常にありがたい。テレビはリモコンでスイッチを入れればすぐ画面が出るのに、デスクトップPCはどんなに早いプロセッサを入れていたとしても立ち上がるまでに30秒ほどかかるのはナンセンスだと思っていた。ラップトップを買ってから、ちょっとの暇でもPCを触ろうかという気にさせられる。

つい調子に乗って、大掃除をしていて出てきた、まったく使っていなかったPlayStation(初代)をYahooオークションで売り飛ばしてしまった。読まなくなった本を50冊程度Bookoffに持ち込んで売ったので、そのときに同時にプレステも引き取ってもらえばよかったのかも知れないが、インターネット環境がよくなったのでついヤフオクに出してしまった。思ったよりも高い値がついて驚いたのだが、自分で発送したり振込みの確認をしなければならないことを考えると、街で中古で売ったほうがいいかもしれないと思った。
Air H"も買ってきたので、屋外でもインターネット接続ができる環境が整った。しかし通信周りにはお金がかかるものだ。



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