紺ガエル日記 2001年1月18日 96年式993Carrera4Sを購入するまで

走行距離 8,555km

マニュアルで、気違いじみて早く、スタイリングが美しい車を捜していた。なおかつ、「それなりに」実用的な車が良かった。
我が家のあるマンションに2台分の駐車スペースは確保できず、私も奥さんもゴルフをするため、ゴルフバッグ2つを積める車を1台所有するというのがもっとも現実的な選択だった。
実用性が無い車でよければ、金さえあればF355が理想であった。スタイリングの美しさ、排気音が官能的なこと、醸し出すオーラは、やはり跳ね馬は違うと思わせるものがある。
しかし、F355一台で暮らしていくのは、現実的ではあるまい。さすがにドンキホーテに買い物に行くのに、フェラーリで行くと恥ずかしいぞ。というか、多分、ドンキホーテで買い物する必要のある人は、ポルシェやフェラーリを本来買ってはいけない気がする。

余談になるが、昨年イタリアのリゾート地であるカプリ島に行ったが、Louis Vuittonの鞄とか持っている人は本当のお金持ちっぽい人だけだった。朝食をホテルのレストランで摂ったとき、隣の老婦人がしていたダイヤの指輪は、私がこれまでで見たどのダイヤの指輪よりも大きかった。日本人が誰でもVuittonの鞄を持っているというのは、貴族という制度が長年続いていた社会、階級制度が本当に存在していた社会に住む人たちから見たら、かなり異様なことなのかもしれない。当然、私のような若造が、紺ガエルを購入することも、身分不相応であるということを自覚した上でそう思っている。

しかし、欲しくなる車というものはなかなかない。運転して楽しく、マニュアルに乗るべき車、なおかつそれなりの実用性がある車というと、アルテッツア、M3、993、996ぐらいなものである。
一時期E500を買おうかと真剣に悩んだ時期があったが、やはりオートマという点で譲歩できなかった。この4つの中で、私の頭の中にあったのが新型M3と996だった。

(新型M3)

いやしかしM3は結構えげつない。先代E36の頃は3シリーズとM3との区別がつきにくかったために,本当の走り屋にしかM3は売れなかったことを反省してなのか,外見上明らかに通常の3シリーズと差別化を図っている。しかし,いわゆるBMWのシルキー6,341馬力というのは圧倒的なパフォーマンスである。ただ,私のZ3体験からBMWに言える事は,初期ロットの信頼性がえらく低いこと,最初期型を買うと,その後値段が変わらないのに次第にいろいろな快適装備がついたモデルがリリースされることの二つのリスクが高い,ということであった。加えて,これはM3には当てはまらないことかもしれないが,BMWは中古での値落ちが激しい,ということである。逆にいえば,日本で発売されたしばらく後に(今年の春デリバリー開始予定),走行わずかな新車同様の中古車を買うのが賢い買い方のように思えた。

996は,前の会社の先輩が中古を購入した。外人が海外に帰るということで,そのとき日本で持っていた99年式996Carrera2スポーツパッケージが売りに出たものであった。わずか1年落ち,走行1万6千キロ程度の比較的新しいもので,新車価格はおよそ1千1百万円のものだった。しかし,その先輩の買値は新車価格より400万円近く下の値段だった。「こんな車は新車で買えない…」私がそう思ったのも無理はないことは,皆さんご理解いただけることだろう。

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