フランスドライブ旅行 計画編 
2002年8月



仕事を辞めて、まとまった時間が出来たので、昔からやってみたかったフランス、スイスから北イタリアに抜けるドライブ旅行をしようと考えた。いろいろ旅行の準備をしようと思うのだが、なかなか思い通りに行かない。なぜなら、ガイドブックの類で、個人でドライブ旅行をする人を対象としたものがなかなかないからである。

昔、トスカーナを車で回ったときも、日本語で書かれたガイドブックがなかったために、ミシュランと地図を持ち、イタリア語で書かれたレストランガイドを見ながら旅行した。

本稿の目的は、私が右往左往して調べたことを、皆さんと共有することである。勿論、私と価値観が違うのは当たり前なので、無理して私の価値観を受け入れていただく必要はない。あくまでも読み物として読んでいただくか、あるいは実際に旅行計画の策定に使っていただくとしても、ご参考までに。





1. 車でアルプスの麓を回り、ヨーロッパの峠を走り、欧州車の哲学を理解する(少し大袈裟?)
2. 出来るだけ小さな街の、小さなホテルに泊まり、本物かつ最高の美味しい食べ物を堪能し、自然を体験する
3. 私があまり詳しくないフランスのワインに詳しくなる

以上を中心として、全ての計画を立てた。





予想より難しかったのが、どのようにして旅程を決めるかということだった。

旅行の目的が、1.アルプスの麓を走る 2.小さなホテル(オーベルジュ)を周り、美味しいものを食べる 3.ワインの産地を巡る ということだったので、必然的にルートは決まってくるのだが、それでもなかなか難しい。

参考書を探す

まず、何はともあれMichelinのGuide Rougeを手に入れることをおすすめする。
この本には、かの有名なMichelinの星付きレストランがどこにあるのか、居心地の良いホテルがどこにあるのか、どこの都市で何を見たらいいのか、都市と都市との間はどれだけ距離があるのかなどなど、車で移動する旅行になくてはならない情報が詰まっている。
以前イタリアを訪れたときに、いくつかのMichelin一つ星と二つ星のレストラン、また居心地が良いとされているホテルを訪れた。レストランに関しては、フランス人が好きなイタリア料理というのは私やイタリアの本が評価するイタリア料理とちょっと違うかもしれない、と思ったが、ホテルについては全く外れがなかった
というわけで、ホテル選びに関してはこの本は非常に役に立つ。

また、フランスの田舎町にぽつんと一つ星のレストランがあったりして、本当に食文化の発達した国だと思わせられる。そして、そんなレストランがプチホテルを経営していたりするのだから。上記目的の2を果たすには必要不可欠な本である。
大きな本屋で洋書が置いてあるところであれば、間違いなく手に入るだろう。私は3700円で購入した。下の写真はフランス版。最大の問題点はフランス語で書かれていること。確か、ロンドンで英語で書いてあるバージョンを見た気がするが、定かでない。

また、欧州各国版、欧州主要都市を一冊にまとめたものなどがある。欧州主要都市を一冊にまとめたものは、一部英語で書いてあるし、田舎町を巡らないのであれば軽いし重宝するだろう。


あとは道路地図。これはGeoCenterというところが出版している地図。本のようになっているので見やすい。その隣はミシュランの一枚に広げてみるタイプ。
ミシュランのGuide Rougeだと、本自体が小さいので、長距離を移動する場合にはたくさんページをめくらなければならないので不便。
どちらも洋書を扱う大きな本屋さんであれば比較的簡単に手に入るだろう。


そして、日本語のガイドブック。これが最大の問題である。通り一遍のガイドブックなら掃いて捨てるほどあるのだが、それを見て旅行すると日本人としか出会わない旅になってしまう。

某「地球の歩き方」などというガイドブックがあるが、あれはバックパッカー専用の本であるというのが、私の感想である。お高く止まるつもりはないのだが、普段カップラーメンとかで飢えをしのぎながら旅行をしている人が薦めているかも知れないレストランが取り上げられている可能性が高い気がする。かつてフィジーに行ったとき、まさにそれで不愉快な思いをした。

色々ある中で、私が感心したガイドブックは以下の二つ。一つは、日経BP社が出している「旅名人ブックス ブルゴーニュ 〜ワインとグルメと歴史にひたる」(遠山敏之著、ISBN4-8222-2665-4)と、ブックマン社が出している「マスヒロがこっそり教える 世界の<とっておき>」(山本益博著、ISBN4-89308-378-3)である。

前者については、ブルゴーニュだけではなく、別にボルドーや北西イタリアなども出版されているようだ。この本は、奥さんの会社の上司の方からお借りしたもので、実際彼女がブルゴーニュのワイン醸造家を訪ね歩いたときに非常に役に立ったそうである。
ワインだけについて書いてあるのではなく、ブルゴーニュの地方の歴史などについても詳しく書いてあり、その土地の文化を語った本である。読み物としても充分面白く読める。

後者に付いては、厳密に言うとこれはフランスのガイドブックではなく、山本益博氏がこれまでに実際に旅行してみたもの、聞いたものの中から選りすぐりの場所やレストラン、ホテルなどをまとめたものである。なぜ、これが参考になったかというと、彼が自分の中での基準を決めるために本物かつ最高のものを体験して歩いた体験談だからである。
これも、読み物としても充分楽しめる。



あと、更に付け加えるならば、東京書籍が出版している「フランス発見の旅 魅惑の地方を訪ねる 東編」(菊池 丘、高橋 明也 著、ISBN4-487-79548-6 C0095)も、美しい写真付きでそれぞれの都市について見どころ、美食紀行などの書き物があり、とても興味深い。

インターネットで有用な情報を探す

私が参考にさせていただいたページをあげていきます。

A la France(ドライブ旅行でのんびりきままに)
このHPは、フランスにおけるドライブ旅行について包括的に網羅している、非常に便利なサイトである。若干フランス東部、南部に弱いか。
ここのリンク集には大変お世話になった。

ヨーロッパ アルプス峠ドライブ・写真・絵本
こちらは夫婦でアルプスの峠100をデータベース化していくというサイト。こういった形で、目標を持って、なおかつその体験を他人とシェアしていこうというお考えに、深く共感する点が多い。また、絵心のある方で、絵本をかかれていらっしゃる。
アルプス、特にChamonixでのモンブラン登山などの情報が大変参考になった。

ViaMichelin 
Michelinガイドのインターネット版。日本語はない。ドイツ語、フランス語、英語などで見られる。個人データ登録をすると、旅程表や、旅程表とマッチした地図などがセーブできるというありがたいサイト。
行きたい都市にあるホテルやレストランを検索でき、ランクや星の数を見られる。私の持っているGuide Rougeはフランス語で書かれているが、本サイトは英語を選択するとレストランのおすすめ料理、ホテルの情報などが英語で入手できるので(フランス語に無学な私にはとても)便利。
また、出発地、経由したい土地、目的地を入力すると、おすすめのルート、景色の良いルート、最短のルート、有料道路を使わないルートなど、さまざまにドライブプランを立ててくれ、そして地図もゲットできる。使いこなせると非常に便利なサイト。

Relais & Chateaux
高級ホテルを中心としたチェーンのHP。チェーンといっても、ヒルトングループのように一つのブランドの元で展開しているわけではなく、それぞれのホテルの特色を生かしている。
ミシュランで評価されているホテルやオーベルジュの比率が非常に高いので有用。また、日本語で見られるというのもポイントが高い。ポイントが低い点としては、サーバーからのレスポンスが半端なく遅い。遅すぎる。これだと私の人生が終わってしまうのではないか、あるいは何か壊れているのではないか、と思わせるほど。






以前トスカーナを車で巡ったときがあった。また、北イタリアの湖水地方を車で巡ったときもあった。そのときに借りた車は、Renault Meganeと、Fiat Puntoだった。どちらも、とても楽しい車だったかというと、そうでもない。強いて言うと、Puntoはアクセルを床まで踏んでも160kmしか出ないが、ひらひらと走って面白かった。
何が言いたいかというと、レンタカーでちゃんとした車を借りるのとそうでないのとで、旅の楽しみが全く変わってくるということである。
今回は、出来るだけいい車に乗ろうと思い、さまざまな努力をした。

私は結局EuropcarのHPから以下のように予約を行った。比較対照した方法については<レンタカー会社のホームページを訪問する>をご覧下さい。

貸し出し パリ・シャルルドゴール空港ターミナル2(8月17日午前6時)
返却 ミラノ・マルペンサ空港(8月26日午後9時)
期間 10日間
カテゴリー コンパクト4ドア、マニュアルエアコン (Peugiot307 HDI ACもしくは同様の車種)
年齢制限 22歳以上
費用 576.75ユーロ(VAT込み)
保険  Damage Waiver(一部免責あり、ピックアップ時に要確認)



<レンタカー会社のホームページを訪問する>

ハーツレンタカー http://www.hertz-car.co.jp/
(Fordの系列)

Hertzは、日本語で予約できるという点で便利かもしれない。フランスから借りると、当たり前だがフランス車が多い(たまにオペルなどもあるが)。
車種の説明も親切、写真でどのような車か確認できる。
ちなみに、どうしても借りたい車がドイツ車だった場合は、ドイツから車を借りるのは一つの手である。例えば、新しいベンツSL500なども借りようと思えばHertzのドイツでは借りられる。
ただし、どこの会社でもそうだが、「XXXまたは同等クラス」となっているので、他の車があたる可能性がある。
Hertzは国をまたいだ乗り捨ても問題なかった。




Europcar http://www.europcar.com
(VolksWagen系列、フランス系)

Europcarは残念ながら日本語のページがない。もしかするとそのために多くの方は断念されるかもしれない。ただし、同じクラスでもハーツに比べ若干値段が安めに感じられた。
ただし、下のスクリーンコピーでもお判りのとおり、車種選択のときに写真がない。若干不便かもしれない。
Europcarは国をまたいだ乗り捨ても問題なかった。



Avis  http://www.avis.com/AvisWeb/home/AvisHome

Avisも大手のレンタカー会社だが、国をまたいだ乗り捨てに関する問い合わせをアメリカのトールフリー番号に電話しなければならず、面倒臭くなってきてやめてしまった。

まとめ
結局結構悩ましかったが、Peugiot307に乗れ、なおかつレートが同じクラスの車で10日間で200ユーロほど安いということもあって、Europcarにした。



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